医療

細胞間のコミュニケーションで何が起きる?

細胞間コミュニケーションというのは、簡単に言うと細胞どうしの会話のことです。
実は私たちの体を構成しているおよそ60兆個もの細胞は、絶えず会話をすることで最適な状態を保っているのです。

私たちは会話をするときに言葉を使います。
日本人であれば日本語を、アメリカ人であれば英語を、フランス人であればフランス語を使って相手とコミュニケーションを取ることでしょう。

細胞どうしの会話ではこのような言語でやりとりが行われているのではなく、8種類の糖鎖の組み合わせがあり、それによって会話が行われています。
8種類の糖鎖にはきちんと文法なども存在しており、実に精巧なやり取りが可能になっているのです。

例えば体外から病原体が血液中へ侵入した時、まずそれを見つけるのは偵察をしているB細胞です。
そしてB細胞は病原体を敵とみなすとそれに目印をつけて、リンパ腺へ指令を送り攻撃をするT細胞の出動を要請します。
そしてT細胞はB細胞の指示通りに目印のつけられている病原体へ攻撃をしていくというわけです。

このようにして、コミュニケーションが行われることによって免疫の働きは起こっています。
しかし、これが上手く働かない事態が起こってしまうことがあります。
例えばB細胞が間違えて健康な細胞に攻撃用の目印をつけてしまった、というような場合です。

ただ命令通りに働くT細胞は、目印があればそれが健康な細胞だろうとなんだろうと攻撃をしてしまいます。
こうしたことが起こるのが免疫異常による疾患です。

この原因というのは、細胞のコミュニケーション能力の低下にあります。
つまり、充分な糖鎖を持っていない言語障害の状態になっている細胞があることで、こうした疾患が引き起こされるということです。

こうした細胞間コミュニケーションについての研究でも、免疫イメージング技術が利用されており、抗体を作る免疫応答がどのように行われているのか?がんへの免疫応答はどのようなものなのか?ということなどが研究されています。

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